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過去問は どう「やる」か が とても大切となります。 

この動画を参考にしてみてください。 ———

 

この動画では 過去問をどうやったら効果的かについて 私の意見というよりは、30年程の指導から淘汰されてきた有効な情報をお伝えしています。

その1 11月に入ったら集団塾やめてでも 過去問中心にしろ! 11月に入ると 過去問がーってなりますよね。 どこの集団塾も11月ごろの時期は高速で おさらいをしている感じです。 およそ9倍速です。

2か月くらいかけて習った9週分の内容を 1週間で 扱う。 これが早すぎて意味がないということをお伝えします。そのうえで じゃあどうするの といったら やめて自分の学校の過去問に集中したらすごいことが起きてたよ という話です。

早すぎるって どんな感じか ばーーっといいますと まず、大雑把な理解として、集団塾は、 標準的な5年になる2月から6年生の受験までで 内容を5周するんですね。 まず一周目、 5年の2月から6年の7月までで、17,18か月くらいで一周目がおわります。

四谷大塚早稲アカ栄光ゼミナールだと予習シリーズないし準拠のところですと  5上5下6上の総合回ぬかせば約45回、45週間分です。 2周目は 6年の夏期講習の5週間で まわす。 といっても夏期なので学校がないので1日9時間くらいが学習になるので だいたい夏期の5週間は通常15週間に相当します。 とすると45÷15で 3倍速です。 3周めは 9,10月で7週間かける。  45÷7は 6倍,7倍速。

4周目は 10月後半ばから5週間で 12月半ばで終わり。ここにいたって9倍速です。 冬期講習と1月は さまざまな問題という感じで  これを5周目というのかわかりませんが入試実践問題ということで総合問題です。

つまり10月半ばすぎると 9倍速、昔 9週間かけてならっていたことをたった1週間で授業をうけることになる。 これまで そのスケジュール リズムにのって大体うまくスパイラルで回していた生徒なら とても意味がある。 でも そうでない生徒にとって  45話しっかり見ていなかったドラマを 9倍速でまわされていても なんのこっちゃと   1週間に一パートずつならっているダンスの踊り  あやふやなまま とりあえず45週間 立ったあと さあ今週は9週間分ざーっとやるよ、といわれても帯に短したすきに長しというか

その授業を想像してほしいんですね。 扱う問題を 1/9以下に間引いて 大体のキーワードと 、紹介で終わる感じなんですよ。

ディスっているのではなく 各自 苦手なのあったらやってね という喚起の 意味だと思いますが この時期のこの授業がぴったり合う、授業を60分参加して60分の意味がある生徒は本当に少ない。 誰のためにもなりそうで誰のためでもない授業となっていることが多いです。 集団塾ではクラスに合わせて 3周めが終わる10月半ばから または 4周めが終わる12月半ばから 過去問対策も宿題などにまぜて 授業の中に入れますが NN特訓など学校別対策授業別コマで取らない限りは  そのクラスの偏差値帯の学校から問題をチョイスして説明していきます。

つまり 「自分(だけ)の志望校の過去問」 をキチンと やることができない。 受ける事がない学校の過去問をやったりするのも必要ですが  自分が受けるところと比べたら 優先順位はどうか、と。

受験はちかづいてあせる。やる事はいっぱいな気がする。でも何をしたらいいかわからない。 拘束される集団授業の解説時間は、いままでの ざっとした紹介でしかない、 また自分が受けることのない学校の出題可能性も低い問題を解かされている、 そして12月過ぎたら模試もないので 汚名返上ではないですが  可能性低く出ているチャレンジ校に なんとかなる希望を持てない。 その結果 一番やるべきそのこ自身の過去問通じた偏差値の伸ばし方があるのに、 手を付ける精神的余裕も時間的余裕もない。 これは、本当にもったいない!!

許されるならこの時期に来たなら 個別だけに切り替える。当然とめられるでしょうが 不安なら集団塾が作っている個別塾。 早稲アカなら昔のマイスタ サピならプリバのようなところに。

費用的にちょっと というばあいは もし受験に関するサポートという意味で 親子関係がうまくいっているなら 集団塾を やめてしまっても この時期からは可能です。 サポートというのは、カリキュラムや伴走など 軽い管理や社会や理科の二分や  国語の記憶事項などなどですね。

そこそこうまくやれれば 集団授業に出てるよりは その辺に関しては そのこピッタリの めちゃくちゃ意義のある時間となります。 それ以外の 理科一分野や算数などの 専門的な教える、に関しては きちんと個別で指導してくれるスポットでもいいので探すことにしていければいいかなと。 どうしても 決断できない、というなら間を とって 集団塾をまびく 宿題カットすることにしてその旨 集団塾の 担当の先生に了承得ておくとか そういうことしてでも「自分の受ける過去問」を中心とした勉強をしてください。

桂花の香りが強くなり、やっと涼しくなりました。何をするにも気持ちのいい貴重な季節、生徒たちは運動会体育祭などもあったようですが、私自身は運動不足にもほどがあるのではと思うほどです。ユークンでの授業はさすがに体を動かしてとはいきませんが今月も「楽しく!」をキーワードにしていきたいと思います。 

新学年にも慣れ、自習室も利用してもらい、またテスト前特訓では週一回の個別授業では扱えない教科をバッチリにして、と、ユークンを利用して学習の習慣とリズムを作れて来ている生徒が多いように感じます。実績も出ているので、この調子で、一つ役に立てたかな、と思いつつ、伝えたい次のテーマは、「集中力」をつける、という事です。         

「これ、解いてみな」「これをうつしておいて」個別や集団でこういう指示を出した時、過去、実績を出した生徒たちには、共通する特徴がありました。猛烈な勢いでその作業をするのです。 

別に『できるだけ速く』という指示など出していないのですが 常に一つ一つの指示に、自分で 彼らの言う「マックスの速さで」というのが暗黙に付け加わるのです。たとえ、腰を落ち着けて考えぬく、丁寧に書くタスクだとしても そのクォリティを保つ限りで最短の時間に挑む。早熟な中学受験生から既に、そんな特徴がありました。 

思えば習熟度下位クラスは90分授業してもつかれた、とは言わないのに何故かその上のクラスほど20,30分で「ふーーっ、疲れた~」という声で 雑談なり ブレイクを入れていたものでした。そうすることによりメリハリがつき、より鮮烈に授業の記憶が残る。自分の好きな事をする時間も作れる。 

これからも多分将来に向かって「時間が有り余る」という事はないのでしょう。それでもいつもすべき何かに追い立てられノルマをこなす、時間が敵というようになってしまうのでは勿体ないことです。成績もよいな、上手くいっているな、という人たちの共通する事は、この時間というものをてなずけている事だと思います。そのためのツールとして小学生でも腕時計とカレンダーつきの手帳を日頃お勧めしていますが100円ショップなどでも10月スタートの綺麗な色々な手帳が出てきました。それらを少しでも使いながら 

学習する心意気をほめつつ、考えうる限り短い時間で終わらせよう、とする工夫を促しアドバイスをしていきます。それがメリハリをもち キーワードの「楽しくなる」ための次の段階のテーマとなります。 学習以外でも楽しい充実した時間を過ごしてほしいと思います。 

ユークンスクール代表 宇佐美 

        

夏期講習も終わったらあっという間、日暮れも早くなってきました。時間が短く感じる理由はいくつかあるようですが3つほど挙げてみます。 

一つは有名な「楽しいと時間は短く感じる」。もう一つは「今まで生きてきた時間を分母として今の1分を感じるから 1分はどんどん短く感じる」という割合数学的な?説明。 

最後の一つは「脳が休んでいると時の感覚は短く感じる」というものです。ご存知の方も多いかもしれませんが、被験者には時間を知らせず5分で写真を100枚スライドで見せるという実験があったそうです。既知の写真をみたグループと未知の写真をみたグループでは、前者のメンバーの方が ほとんどが有意に「時間が短く感じた」という結果と出たそうです。 

未知の場所に行ったとき、帰り道が短く早く感じるという日常の感覚を それで説明すると、往きは未知の風景で脳がどんどん動くのに対し、帰りは既知の風景で脳が刺激を受けていないためということです。 

私もこの考えを知ってからは「あっという間だった」と感じるときは、楽しい時ほど早く過ぎるものも経験上真理とも思いますので 「ああ楽しかったからあっという間だったんだ」、とも思いつつ、一方では 「脳が漫然として刺激なかったかな」、と少しだけは戒めのように気にかけています。 

閑話休題、学習についてですが、各自これから来年度に備えた本気の顔になっていくよう指導します。「4年生の匂いを残した5年生」が これからは「6年生の雰囲気を持つ5年生」になる過渡的な季節が秋です。小6、中3であれば「受験生」の顔になれるか。11月一杯までが勝負です。 

受験生は定期テストと、既習範囲内での過去問の合格最低点にどれだけ近づけるかを目標に、公立中学生以降はまず学校のテスト、私立志望の場合はさらに大きな目標を持ってがんばりましょう。小学生はなかなかいいテストがないのが悩みどころです。受験生は四谷の流れに完璧に乗っていれば 四谷準拠の模試がいいのですが、まずあのペースで進められる生徒は過去もそう多くはありません。私が見ていた生徒はおっとりヨチヨチ型が多かったせいか、御三家に受かった生徒でも、数名の例外を除いて6年の夏まではどの模試を受けることも難しくまた受けてもそれほど華々しい結果は出にくいものでした。ただ薄い基本教材を繰り返しやりそこを塾内で何回も単元ごとや縦断的に確認テストをしてそこで高得点をとることを目標にしていました。そこでどれくらい点数を取った生徒がどこに合格したかはデータが残っていますが目の前のものができているか否かで十分実力は判断できます。また準備ができた範囲で四谷月例テストなどの過去問で擬似偏差値を出していこう、ということを目標にしていました。 

またこれから全体的に、数検受験を奨励していきたいと思っています。とても内容もよく、また評価される事も多くなってきました。漢検とあわせて出来るかぎりと声掛けをしていきたいと思っています。 

色々目標について述べましたが、まずは各自毎回行われる確認テストで満点を取ることが一番の目標としてください。目標レベルに逆算して大丈夫なように決めている確認テストが合格であることが大切です。ご家庭でも「確認テストどうだった?」と毎回の合格をほめてあげてください。 

ユークンスクール代表 宇佐美 

ユークンスクール通信2022年6月号        

7月入って殆どの中高生は早くも期末テストが終わりました。 これからのテストのスケジュールをざっと見ると 9月休み明けテスト10月初旬中間11月下旬期末テスト1月学力テスト2月末期末テストと「テスト2週間前」が4,5回あるのですから2か月以上の期間が「テスト前」となります。 そして「テスト中&返却の週」がやはり4,5回あるのです。 

そもそも一年間の学校生活は夏休み6週+冬休み2週 +春休み2週 連休などで1週など約3か月ひかれるわけですから残り9か月を学校の一年間とみると 一年のうち約三分の一の日々が「テスト前・テスト中」というあわただしさです。 

これからの一年の中で 追い立てられないまとまった時期は これから「二か月間」のみとなります。態勢を立て直したり 今の自分の相対的レベルを引き上げる事のできる 唯一の といっていい 貴重な時期であるということができます。 

出来る子はやっている、という事をお伝えしたいと思います。その相場をご存じないのかな と思う事が 入会はされていない方ではありますが複数のご相談などで感じる機会が多くありました。 

以下は東進ハイスクールの調査で、難関大合格者の高1・高2・高3の学校以外での自学習時間の、部活をしている生徒からのアンケート結果です。土日を含めた週当たりの一日平均です。(これは中学受験の4,5,6年 高校受験の中1,2,3もほぼ同じ量と考えていいでしょう。) 

A高1(中1・小4)    1.6時間 

B高2(中2・小5)     2.3時間 

C高3(中3・小6)     6.4時間 

D高3(中3・小6)夏期冬期 8.5時間 

例えば部活をしているので 重みを平日①として土曜②日曜②として書き直すと 

A 平日1.3時間土曜2.6時間 日曜2.6時間  

B  平日1.8時間土曜3.6時間日曜3.6時間 

C 平日2.6時間土曜5.2時間 日曜5.2時間 

Dについては追い込み冬期夏期学校休み期間など 重みを平日①として土曜①日曜⓪とした場合は 

D平日10時間土曜10時間 日曜0時間 となります。 

部活をしていない生徒は 2時間,4時間,5.8時間,7.8時間と +0.4 ,+1.6 ,-0.6 -0.7時間の増減となります。 

参考までに 不合格の生徒は  -0.2  -0.4  -0.4 -0.5 学習時間が少なかったという調査です。 

難関校を目指すといっても 【自分のもともとの偏差値帯を維持するかさらに5から10引き上げたい生徒たち】といった方が正しいでしょう。 

今ユークンスクールで各学年一番成績がいい生徒は多分その学年で一番 質もそうですが量、時間をかけているといえます。 

さらに言及すれば 現時点だけでなく 今までの積算、つまり小4からしっかりやっている生徒と中2から本気になった生徒とは蓄積時間も相当違います。それを覆そうとすると 本来上記学習時間だけでも足りないはずです。 

そのレベルを志向する生徒・保護者がその時間さえ学習することに抵抗を感じる場合 それは 今まできちんとやって上位を維持している生徒の努力を見ていると等価交換にそぐわないといいますか虫のよい考えと思います。 

時間じゃない、集中、質次第ですよね、と声も聞こえそうですが上記時間はもともとそこそこ集中している生徒の時間です。それを半分でできるというのはいささか無理があるでしょう。あることをやるのに通常6時間かかるとする事をこなすのに、薄める方向だらだらする方向には何倍にも出来て80時間かける事は出来ても、濃くする方はせいぜい4時間程度でしょう。 

さてではどうするのか。結局差はどう縮めるのですか と聞かれたとき 指導者としての仕事は まずは 半分とは言わないまでも効率化合理的 やることとやらないことを明示する。量的負荷を最小にして また心理的負荷も軽減する指導をする事 あとはもうひとつ その量をすることが当然と周知しそれをくじけぬよう叱咤激励していく事に他はありません。 

現状を変える、という事はチャレンジですが これは負荷負担であると同時に楽しみなものでもあります。そこを強調して日々生徒たちと研鑽していこうと肝に銘じています。 

GWが終わり新入生は新しい学校の生活・通学にもやっと慣れ、部活動に入部する生徒は本格的に始まる頃だと思います。進級の生徒は部活動には後輩たちが入ってきてまた担任や級友たちも変わり、やはりそれなりに新鮮な環境の変化の波を乗りこなそうと真剣な感じを受けます。学習だけではない人間関係もそれなりに気を使う年頃 早く環境に居心地のいい場所を見つけてほしいとおもいます。 

さて、先日、10年くらい生徒だったYさんが遊びに来ました。就職活動でへこむ~という最中、院生で今している研究にも少し疑問が出て私は何をやっているんだろう、という相談をされました。 

今年の生徒で同じような生徒がいまして彼は中間・期末テストに対して義務感恐怖感から学習する事に否定的でした。 

とても論理的に悩んでいたので、ホームページ上にあるhttps://yukung.com/?page_id=138『なんのために学習するか』の話をしました。 

細かくはHP上でご覧いただければ嬉しいのですが、端的に言えば「幸せに、いろいろな意味で豊かになるため・自分と大切な人を守る・大切にするための、まわりの人に対しての自己証明を確保することが学習の意味」という話をしました。 

とはいってもHPにも書きましたが人にはタイプがあります。Yさんも今年の生徒も 中学以降の全9教科に対するオールラウンドな関心を持てず またそれほどの所謂「真面目さ」を原動力に頭が動く生徒ではないのは明確でしたので こんなアドバイスをしました。 

「とにかく君が好きな 理科、第一分野と数学(と電車)だけは マニアのようになりなさい、他は赤点取らない、という消極的ゲームとしてもいいから、好きで興味をもてる事にどっぷりつかりなさい。」 

(実際はなりなさい、というよりはそうなっていいんだよ、と伝えましたが)。これからの時代 苦手に力を注ぐのも大切だが、とにかく強みを伸ばす、トンガっていくのが大切だと先生は確信しているよ、と。 

もともとその尖った部分が自分の存在理由そのものだった生徒です。話の終わりには昔の12歳の顔に戻って やりたいことを沢山話して帰ってくれました。 

人と違っていたり、悩んでいる状態は恥ずかしくない。むしろ自分の頭で考えるから 悩み迷うのです。考えなければ迷わない。ただ 『悩んでいる事に 悩む』のは自家中毒のようになるから避けて、後は君の良いトコロを自分でプロデュースしていくんだ、と伝えて かつての教え子を送り出しました。 

勿論迷いながら甘いことは言ってられないという前提ですが やはり学習の根幹は「楽しさ」と再認識した日でした。 

学習に身が入らない、そんな時 学習する意味は? 楽しさってなんだろう、どうすればワクワクするかそんなところまで伝えられるような場所になりたいと思っています。 

進級、新入学おめでとうございます。新年、というのは カレンダーも手帳もそうですが 一年に二回 元旦ともうひとつ4月1日があります。新たな気持ちでいい一年としたいものです。 

数年前の引用となりますが 信州大学の山沢清人学長の入学式挨拶です。 

皆様は、もしかしたら、個性の発掘に没頭する「自分探し」をしませんでしたか。また、これからしようと思っていないですよね。若い時の自分探しは勧められません。特に、解剖学者の養老孟司さんは、「個性は徹底的に真似をすることから生まれる」とまでおっしゃられています。伝統芸能の世界に見られる、師匠と弟子の個性の違いを指摘されてのことです。 

 個性を発揮するとは、なにか特別なことをするのではなく、問題や課題に対して、常に「自分で考えること」を習慣づける、決して「考えること」から逃げないことです。自分で考えると他人と違う考えになることが多くなり、個性が出てきます、豊かで創造的な発想となります。 

 学生で言うと、普段の勉強を真剣に取組むこと、そして身につける「知識の量」を主とするのではなく、「知識の質」すなわち自ら探求的に考える能力を育てることが大切となります。 

 受験勉強と同じ気持ちでは駄目です。大学での勉強と生活の仕方を変えなければなりません。 

 その理由をお話しましょう。創造性を育てるうえで、特に、心がけなければならないことは、時間的、心理的な「ゆとり」を持つこと、ものごとにとらわれ過ぎないこと、豊か過ぎないこと、飽食でないことなどが挙げられます。 

 自らで考えることにじっくり時間をかけること、そして時間的にも心理的にもゆったりとすることが最も大切となります。 

 子供の頃をちょっと思い出して下さい。子供の頃は、例えば、夏休みがゆっくり過ぎていたと感じませんか。大人になると、忙しさで、時間は走馬灯のように速く過ぎていきます。脳科学者のDavid Eagleman(デイウィッド イーグルマン)さんは「記憶が詳細なほど、その瞬間は長く感じられる。しかし、周りの世界が見慣れたものになってくると、脳が取り込む情報量は少なくて済み、時間が速く過ぎ去っていくように感じられる」と言っています。 

 自分の時間を有効に使うために、自力で時の流れを遅くする必要があります。 

 そのために五つの方策が提案されていることは良く知られています。 

 一、学び続けること。新しい経験が得られて、時間感覚がゆっくりとなる。 

 二、新しい場所を訪ねる。定期的に新しい環境に脳をさらす。 

 三、新しい人に会う。他人とのコミュニケーションは脳を刺激する。 

 四、新しいことを始める。新しい活動への挑戦。 

 五、感動を多くする。 

 皆様はどうでしょうか。残念なことですが、昨今、この信州でもモノやサービスが溢れ始めました。その代表例は、携帯電話です。アニメやゲームなどいくらでも無為に時間を潰せる機会が増えています。スマホ依存症は知性、個性、独創性にとって毒以外の何物でもありません。スマホの「見慣れた世界」にいると、脳の取り込み情報は低下し、時間が速く過ぎ去ってしまいます。 

 「スマホやめますか、それとも信大生やめますか」 スイッチを切って、本を読みましょう。友達と話をしましょう。そして、自分で考えることを習慣づけましょう。自分の持つ知識を総動員して、ものごとを根本から考え、全力で行動することが、独創性豊かな信大生を育てます。 

長い引用となってしまいましたが、個性についての認識・知的に感動の多い体験、時間をつくる。・そのために自分の時間を意識してゆっくりと追い立てられるものにしない、意識的に時を掴まえる といった主張は この通信でも過去にもたびたび触れていますが実に同意できるものがあります。 

また この記事が話題になったのは「スマホやめますか」の一節なのですが 極論と思う方もいるから話題になりうるのでしょうが 主張されている方向は正しいと思います。要するに保護者なり生徒なりのコントロールを及ぼせるなら何も問題はない、しかし スマホというツールが意志により非常にコントロールしにくいものという冷静な評価の上、関わっていくことが求められると思います。 

 ともあれ意識的に時間を過ごして各自有意義な一年となるよう 学習を通じて指導、関わっていきたいと思います。 

        

今年が中学・高校入学という生徒も多いようです。おめでとうございます。新学年、新学期。もうそんな時期か 早いな、という声を尻目に 早めに桜も咲いてしまい強い風にのって花びらが舞っていった春ですが、そんな嵐のように、これからの新学期もあっという間に時間が過ぎ去っていきます。 

時間は敵だ、という気持ちは人生を不幸にする、とサンテグジュペリが好きだった私はそう思っていますので無意味な焦燥感等はつとめて持たないようにしています。(お便りもその結果遅くなり申し訳ありません。) 

とはいっても有限な時間をコントロールできているという充実した実感を持てるようにいることが 特に成長期に自信を持って 課題や問題に立ち向かえるためにとても大切なことです。 

小学生は習い事も多い。中学受験バリバリの生徒は4教科とにかくやることだらけ、学校に行っても休み時間に 深夜になっても集団塾の宿題をヒイヒイやっているとの話は枚挙に暇がありません。中高生は部活動や生徒会などで時間がない。または受験生は 早い進度についていくのに精一杯。「時間があったら出来るのに‥」という状況はずっと続きます。 

こま切れ時間でも 電車の中でも勉強できるでしょう、と資格三冠王のような自己啓発的な達成本を見て鼓舞した所で やはり余暇や、息抜きは必要経費、それを削っても反動が出るのは経験のあるところです。 

また文武両道、部活を充実させれば 少ない時間で集中して学習能率も良くなるはず、と言われても そうでない生徒も多くいます。  むしろダブルスクールをやめた、や 例題のまとめはやめた、私達の指導としては「何をしないか」を明確にすることで伸びる事が多いものです。 

あれをしろ、頑張れ よりとにかく効果のあるのが『夜更かしをしない、テレビはほとんど見ない(見ない家庭内環境・文化の醸成)・ゲームは 時間制限制』というものです。 

小説などもまああれかと思いますが、納得して浪費するならいい。しかし上に挙げたものは役に立つし悪者ではないものの、無自覚に時間を使ってしまい後悔しやすいもの中毒性があるものとして槍玉に挙げられます。 

加えてこの10年近く気になるのは「ネット」です。それも昔はPCであったりフィルタリングのある「ケータイ」でしたので親の見える場所という抑制があっのですが,ここ数年はWiFiでの「スマートフォン」によってネットという非常に強い中毒性ある世界から抜けだせなくなっている生徒も多く聞きます。  

感受性の高いこの時期こそ文化的にマスターピースといわれるものに触れる事が血肉となる時代、その分が削られて二次創作や過剰な友達付き合いのネットに行っているとするともったいない気がします。 

iPhone(スマホ)を使う為の「18の約束」話題になっていますが自己抑制能力を育むためにもスマートフォン(類似)のものは貸出制でいいのではというのが私見です。 

さて逆に「やったほうがいい事」はないのか、毎年学年はじめに 話していることが『腕時計とカレンダーつきの手帳を持つこと』です。100円ショップで売っているものでも十分ですので お気に入りの手帳を持つ。スマートフォンのメモ帳、カレンダーではなくアナログの書いたら消すのが面倒くさく、流れていく時間が空白として見えるものを持つことです。なりたい自分や予定やったことなどを書いているうちに「自分が時間・いろいろなことはコントロールしている実感」を持つものです。 

これはと思う生徒は小学高学年から手帳デビューでした。ちょうど4月始まりの今、お気に入りの手帳を見つけにいくのも楽しいかとおもいます。 

受験が無事終わりました。週1,2回の個別授業だけでなく毎日のように自習室でサポータ講師ともどもコミュニケーションをとっていた生徒たちが昨年に引き続き今年も難関といわれる学校や 各自の志望校に合格して喜ぶ姿をみるのは喜びもひとしおです。 

対外的に ユークンスクールをご存じない方にも一定の安心・信頼を提供できる、その意味では「偏差値が高い学校への高い合格率」を今年も出せたとは思いますが、そのものがすべてではありません。ただ我々が誇ってもいいのかな、というものは入塾時のレベルからどれだけ引き上げる手伝いができたかな、という事です。そして全身で信頼してくれ努力した生徒に それに見合う結果を提供できたことです。 

もちろん全勝とはいかず自分の最難関にあと一歩及ばずと口惜しい姿を見る事もありました。こちらもそれ以上に力になれなかった事が本当に残念ですが 大学でリベンジを、と誓う姿に 勝てなかった試合もあるが負けてはいない、これなら十分未来をコントロール出来ると 頼もしく思いました。 

ともあれ 入塾時での 各模擬テスト学校の定期テスト通知表などで計測できるものでみる限り 残り時間では到底不可能と思えるレベルだった生徒が それを乗り越えていく様は痛快であります。 

その生徒たちに共通するのは全身で信頼・努力してくれていたことです。 生徒たちに感動や心からの祝福、尊敬をするのは、春を信じて冬を乗り切っていけるその経過、途中の精神です。まさかの時の友こそ真の友 ピンチはチャンスといいますが 調子よくいっている時は 横にいてもお互いに楽しい、しかし そうでない時こそ真価がとわれると思います。  

ユークンも個別塾ですからやはり生徒も当然 測定値はとても難しいレベル、残り時間から始めています。数値として「安心」を提供するのは直前までは現実として厳しい。習い始めは 希望レベルにはるか及ばない マイナスからのスタートです。やることだらけ、時間がない。過去問も苦手なものは何度やっても少しずつしか点数は伸びない。誰も保証してくれていない合格の一瞬までの 毎日日常をどう乗り切っていくか。 

昨年の3月のお便りと同じですが、今年の生徒も不安の中マイナスの感情に支配されずに ふて腐らない、違うテキストに逃げない こちらが熟慮逡巡して出している指示を信頼して懸命にこなそうとしてくれた、そんな生徒たちに対して合格という体験を提供できたのが本当に嬉しい事です。 

そして「熟慮逡巡して出している指示」自体に不安はなく、これをやれば受かるという最短の合理的方法は25年毎年確信され補強されていくプロとして矜持があるからやれているわけですが、キラキラした笑顔で 任せています、と保護者の方に言われた時 一層身が引き締まると同時に 志望校を下げて可能性が高い方をゴールと勧めれば塾的には安全な中、ああ、この方なら きっとどんな結果になっても何か大丈夫だろう、と思える、更に 生徒本人のキラキラした笑顔の「〇〇高校に行きたいから頑張ります」という言葉と違わぬ誠意努力を見た時 過去25年間同様にそういう生徒たちがなんとかなっていた事から、きっとなんとかなる、と思い 共に応援することを決断してきました。    

  

 結果がすべて、といいます。ただ 受験においては 特定の学校への合格不合格だけが 「結果」ではなく、受験を通じてどこまでの高みに到達できたか も 結果だと思います。 必死にやったからこそ見える景色と感想を持たせてあげられたか。 あるレベルに対しては到達した満足感と自信、そしてあるレベルに対しては 具体的な及ばない点の認識と分析と 今後 まだ伸びると奮起できる、 それも「一生懸命」やりぬいたからこそ 持てた貴重な体験と認識が 財産となります。 

 特に今年の中3は 直前まで 逃げずあきらめず 浮足立たずにやるべきことに 日をおうにつれ集中していってくれました。 

何よりも嬉しいのは 全員 入試が終わってからも 「学びたい」という熱意をさらに感じることです。高校数学の話なども楽しそうに聞いてくれ やっとくといいかも、という程度の支持も完ぺきにこなしてきます。学習することが楽しい、ということを伝えたくて設立した塾の代表としてこんなうれしいことはありません。 

 今年も どの生徒にも真摯に受験向き合えたと自負していますが同時にご協力いただけた保護者皆様に感謝いたします。引き続き 今年度もユークンスクールを宜しくお願い致します。