ユークンスクール通信2022年6月号
7月入って殆どの中高生は早くも期末テストが終わりました。 これからのテストのスケジュールをざっと見ると 9月休み明けテスト10月初旬中間11月下旬期末テスト1月学力テスト2月末期末テストと「テスト2週間前」が4,5回あるのですから2か月以上の期間が「テスト前」となります。 そして「テスト中&返却の週」がやはり4,5回あるのです。
そもそも一年間の学校生活は夏休み6週+冬休み2週 +春休み2週 連休などで1週など約3か月ひかれるわけですから残り9か月を学校の一年間とみると 一年のうち約三分の一の日々が「テスト前・テスト中」というあわただしさです。
これからの一年の中で 追い立てられないまとまった時期は これから「二か月間」のみとなります。態勢を立て直したり 今の自分の相対的レベルを引き上げる事のできる 唯一の といっていい 貴重な時期であるということができます。
出来る子はやっている、という事をお伝えしたいと思います。その相場をご存じないのかな と思う事が 入会はされていない方ではありますが複数のご相談などで感じる機会が多くありました。
以下は東進ハイスクールの調査で、難関大合格者の高1・高2・高3の学校以外での自学習時間の、部活をしている生徒からのアンケート結果です。土日を含めた週当たりの一日平均です。(これは中学受験の4,5,6年 高校受験の中1,2,3もほぼ同じ量と考えていいでしょう。)
A高1(中1・小4) 1.6時間
B高2(中2・小5) 2.3時間
C高3(中3・小6) 6.4時間
D高3(中3・小6)夏期冬期 8.5時間
例えば部活をしているので 重みを平日①として土曜②日曜②として書き直すと
A 平日1.3時間土曜2.6時間 日曜2.6時間
B 平日1.8時間土曜3.6時間日曜3.6時間
C 平日2.6時間土曜5.2時間 日曜5.2時間
Dについては追い込み冬期夏期学校休み期間など 重みを平日①として土曜①日曜⓪とした場合は
D平日10時間土曜10時間 日曜0時間 となります。
部活をしていない生徒は 2時間,4時間,5.8時間,7.8時間と +0.4 ,+1.6 ,-0.6 -0.7時間の増減となります。
参考までに 不合格の生徒は -0.2 -0.4 -0.4 -0.5 学習時間が少なかったという調査です。
難関校を目指すといっても 【自分のもともとの偏差値帯を維持するかさらに5から10引き上げたい生徒たち】といった方が正しいでしょう。
今ユークンスクールで各学年一番成績がいい生徒は多分その学年で一番 質もそうですが量、時間をかけているといえます。
さらに言及すれば 現時点だけでなく 今までの積算、つまり小4からしっかりやっている生徒と中2から本気になった生徒とは蓄積時間も相当違います。それを覆そうとすると 本来上記学習時間だけでも足りないはずです。
そのレベルを志向する生徒・保護者がその時間さえ学習することに抵抗を感じる場合 それは 今まできちんとやって上位を維持している生徒の努力を見ていると等価交換にそぐわないといいますか虫のよい考えと思います。
時間じゃない、集中、質次第ですよね、と声も聞こえそうですが上記時間はもともとそこそこ集中している生徒の時間です。それを半分でできるというのはいささか無理があるでしょう。あることをやるのに通常6時間かかるとする事をこなすのに、薄める方向だらだらする方向には何倍にも出来て80時間かける事は出来ても、濃くする方はせいぜい4時間程度でしょう。
さてではどうするのか。結局差はどう縮めるのですか と聞かれたとき 指導者としての仕事は まずは 半分とは言わないまでも効率化合理的 やることとやらないことを明示する。量的負荷を最小にして また心理的負荷も軽減する指導をする事 あとはもうひとつ その量をすることが当然と周知しそれをくじけぬよう叱咤激励していく事に他はありません。
現状を変える、という事はチャレンジですが これは負荷負担であると同時に楽しみなものでもあります。そこを強調して日々生徒たちと研鑽していこうと肝に銘じています。