ユークンスクール通信2021年9月号        

夏期、「充実していた!」と各自が胸をはれる夏休みとなったでしょうか。受験生は「やれるだけやった!」といえるか。非受験の生徒は やるべき事とやりたい事を存分に味わえたといえるか。ともあれ普段と違うリズムの5週間の後、2学期のペースをつくるのも一苦労と思います。 

時間に追われている、受け身の状態になってしまうと中々「自分のペース」に戻せないものです。私も9月のお便りは毎年同じ内容になっている気がします。以下引用か多くなり失礼いたします。 

  

時間に追われている、というのは大人だけの問題でなく実は生徒たちの間にも多い問題のようです。 

「埼玉県の学生の睡眠時間は一番短い」という興味深いデータを耳にしました。総務省統計局社会生活基本調査は、首都圏の学校への、更には習い事への通学通塾時間が原因として推測されます。  

100ます計算で有名な陰山英男先生も述べておられる『睡眠時間が多い生徒は成績が良い』というのは私の体験からも概ね真実と実感できることです。(朝食をしっかり食べている生徒も同様だ、と先生は力説しておられます)。とするとこの調査結果はなかなか示唆的とは思います。 

勿論、『それは因果関係ではなく相関関係、集合が重なりがあるというだけに過ぎず、朝食をしっかりとったり睡眠を増やせば成績が上がるわけではないだろう、どちらが原因でどちらが結果かは曖昧である(成績がよく管理ができる生徒だからしっかり睡眠を確保出来ているのだろう)』という考え方もできます。 

 しかし朝食をしっかりとれない、睡眠がとれていないというのは「充実した忙しさ」ではなく「ペースを乱している状態」に入っている事を示しています。学習時間は多くバタバタとしていても集中した時間と成果は、というと怪しいもので更なる仕事をうんでしまっている。 

 特に 受験生は その悪循環に入っている生徒が多いものです。そんな時ユークンスクールの立場として成果をあげてきたマネジメントは「何をしないか、何をカットするか」を指示、アドバイスする事です。 

カットしてあげる、緩急をつけてあげる、というのが個別指導で提供できる一番メリットではないかと思うほどです。 

「これをやっておいた方が良い」という参考書問題集、先生方の指示、アドバイスは山程あります。しかし各人違う限られた時間と現時点での能力を考えた時 殆ど役立つアドバイスではない事が多いものです。 

「これを優先順位が低いので今はカットする」を各自に応じた明確な指示を出すことで「あれは最優先で死守して今はやり遂げる」というメッセージにもなります。断捨離、などと言う言葉も流行っていましたが 睡眠も少なくなるような場合予定の組み方がおかしいのです。しっかり明確な指示をこなして充実感を持つほうが更なる指示もでき成果も上がります。 

ただ以上の話は 頑張っているようだが空回りしているのかなという生徒向けの話です。逆に私達からもそんな少しの学習時間で大丈夫?という認識の生徒や保護者の方もいます。 

 私立か公立か 部活に相当の時間を割くか 中学受験勉強をするかしないか、によって学習時間は二極化しているようです。ご家庭の方針もあるので一概にはいえませんが 善し悪しではなく学習時間の絶対量が少なければ 後々「学力」で比べたいならば勝負になりません。 

私立は土曜日も授業があり、中3の時 もう高校1,2年の内容まで進んでいます。部活も週3日ほどで抑制的です。また中学高校受験生は平日4時間、土日あわせ10時間は平均的にやっています。それは歪だ、行き過ぎだという考えもありますが本分は学生、上記目的達成のためならその時間必要と考えます。大多数がその時間はやっている現状を鑑みると やり方や能率性では埋められない 学力の差が生まれてきます。 

参考として中学受験をしないがする層に負けない状態を作りたい公立小学校生、および公立高校を受ける公立中学校生が 半年で自分の偏差値帯を5上げたい場合に必要な時間を文末に記載しておきます。 

  

 ともあれ 現状を振り返り 足りない所は補い、無理のある所はリストラクチャリングして「時間に追われる」のでない自分の充実したペースを作るようご家庭と協力して指導していきたいと思います。 

   

【参考】平日平均時間と土日の合計時間。モデラートな目安として 小4 1.5h,4h/小5 2h,5h/小6 2.5h,6h /中1 1.5h,6h /中2 2h,8h/ 中3(部活終了後) 4h,10h ※時間は学校の宿題を行う時間や塾の授業時間を含めて※小学生でも受験であれは上記の1.6倍 

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